.


●ジャコメッティについて●

[Alberto Giacometti]
1901年生まれ。スイスのボルゴノーヴォ出身、パリを生涯の拠点とした彫刻家、画家。1966年没。
第二次世界大戦以前の30代前半まではシュルレアリスム運動に参加するが、
その後決別し、人物モデルをひたすらに写生する基礎的手法へ回帰する。
1950年前後から作られ始めた極端に細長いフォルムの人物彫刻によって世界的に評価されるとともに、
実存主義を体現した作品としてサルトルから論理的擁護を受けた。
また1956年から1961年にかけて計230日もの間、
日本人の哲学者である矢内原伊作(1918-1989)をモデルとして習作を繰り返し、親交を深めている。
矢内原自身もモデルを務めながらジャコメッティとの対話を執拗に記録し、
現在におけるジャコメッティ論考の基礎を築いた。
ロダン以後の彫刻の歴史に革命を起こした、20世紀における最も重要な彫刻家とされる。
  

.
●プロローグ●
(2008.08.28 藤井宅にて収録)

藤井|  えー、第3回始まりました。よろしくお願いします。
松島|  よろしく。…えーとね、前回長過ぎました。
藤井|  あははは。かなりね(笑)。
松島|  いや、マイケルの回はね、リアクションあったんだけど…。GANTZの回は読み切った人がいるのかっていう…。
藤井|  うーん…。でもどこかのサイトで参照されてたんでしょ?高解像度で物事を見るって事について。
松島|  そうなんですよ!『建築家の語る「高解像度の眼」』ってね。ありがとうございまーす(笑)。
藤井|  まぁ、でもねガンツの時は良いことが言えた、っていう自信もあったしね。
松島|  いやぁ、手応えはあったよ。
藤井|  俺もあった。しかも派生した話も面白かったから全部詰め込んじゃったんだよね。
松島|  あれでもかなり削ったんだけど。
藤井|  そうそう…(笑)。でもまぁ、一応「読み物』として意識はした方がいいかな、っていうのが前回の反省かな。
松島|  限度があるっていうか、常識の範疇でやるべきだと(笑)。とはいえコンパクトに帰結させるのはサイトのコンセプトじゃないからね。
藤井|  そうそう。
松島|  まぁ、でもちょっとは意識して。僕らの身も持たないし(笑)。
藤井|  あと、とにかく読んでもらわないことには始まらないからね…。
松島|  面白いのにね〜!
藤井|  すげぇ面白い!(笑) まぁ、だから今回は密度と枝葉を残しつつ喋りたいと思います。
松島|  で、今回はアルベルト・ジャコメッティについてです。前回の終わりでさらっと喋ったんだけど、 あの時点では不勉強のせいで、ジャコメッティを「抽象化」っていう言葉で単純に語ってしまったのは非常にまずかった。
藤井|  あれはね…、誤読でしたね。
松島|  前回の対談の最後、書き換えようよ(笑)。
藤井|  いやいや、それはちょっと…(笑)。
松島|  でも正直言って、勉強したからといって今回の認識が正しいとは思えない。
藤井|  そうだね。
松島|  思ったより相手はデカかった。ちょっとナメてた(笑)。 まぁ、そんなこともあって今回は「誤読前提」ということでやらせていただきたいと思います。 とはいえ、世の中には「クリエイティブ・ミスリードという都合のいい言葉があるらしいね。 日本語で言えば「創造的誤読」。
藤井|  そうそう、むしろこのサイトではそういうのも含めてどんどんやっていった方がいいのかな、という気もしますね。
松島|  この言葉を知ったのはドゥルーズとガタリの『千のプラトー』という本の歴史的位置付けを調べてた時なんだけど、 あの本は「分裂症」をテーマにしてるからむしろ誤読を誘ってるんじゃないかと思ってね。 読む人たちの認識すら分裂させるような…。でも現代において、誰もが分裂している状態っていうのは 前提だと思っているので、我々もそれに則っていきましょう。
藤井|  そうなんだよね。後で話すことになる実存主義において、「本質」に迫るというよりは先立つ「実存」の方が重要なんだ、っていう話も「クリエイティブ・ミスリード」を重要視することにつながるかもしれないし。だから物事の核を正確に掴む事だけが重要じゃないんだ!って事なんだよね。
松島|  もうそういう時代じゃないですよ。「真実がひとつじゃない」なんて今更言うまでもないことだし。だから我々も「派生していく」ってことを併せて楽しもうかと思います。
  










アルベルト・ジャコメッティ








『千のプラトー』
ジル・ドゥルーズ+フェリックス・ガタリ(共著)

.
 01 )))  02 )))  03 )))  04 )))  05 )))  06 )))  07

top
  

.

inserted by FC2 system